1995(平成7)年に開園した大亀山森林公園には、子どもや大人が楽しめるアスレチックやバーベキュー施設などが揃っており、緑豊かな自然を心ゆくまで楽しめるレジャースポットです。2024(令和6)年には、展望台などの園内リニューアルを実施。また、自然環境保全活動に取り組んでいるNPO法人SCRの協力のもと、地元の食材を用いたメニューを提供する「もしもしcafe」のオープンや、園内入り口に「森の公園ツリーハウス」を製作するなど、新たな憩いの場の創出を目指しています。
今回は、NPO法人SCRの村上幸枝代表から、緑豊かな富谷市のシンボルでもある大亀山森林公園の自然環境を守るために取り組んでいる、さまざまな活動について詳しくお話を伺いました。
森のかけらを有効活用した
「森の公園ツリーハウス」が完成!
「『森の公園ツリーハウス』プロジェクトは、子どもたちが自然と触れ合いながら、間伐による森林保全について学んでもらおうと、令和5年10月からワークショップを全6回開催して製作しました」。このように説明してくれたのは、NPO法人SCRの村上幸枝代表。過密となった森林の一部を伐採し、間伐することにより、地表へ光が届くようになり、新たな緑が育ち、豊かな森林の育成へとつながります。持続可能な未来を考えていく上で、富谷市の豊かな自然環境を守っていくことは、ゼロカーボンにもつながるとても大切なことだと教えてくれました。
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丸太で囲んだツリーハウスのウッドデッキ中心部には、約10mのケヤキの木が空に向かって伸びており、まるで秘密基地のような心踊る空間が広がっている。
園内の木々を間引き、その「森のかけら」を用いて製作した「森の公園ツリーハウス」。
このプロジェクトは宮城大学の風見副学長監修のもと、NPO法人SCRと市民や市内の建設会社、黒川森林組合、そしてボランティアスタッフ達が力を合わせることで実現しました。「ワークショップでは、参加者一人一人が木材に防腐剤やペンキ塗り、ボランティアスタッフとも力を合わせ、床材のビス止めなどを行いました」。当時を振り返りながら、村上代表は微笑みます。親子でワークショップに参加した保護者の一人が、「家にいると動画ばかり見てしまう子どもたちが、自然と触れ合いながらツリーハウス作りを心から楽しんでいたので、参加して良かったと思っています」と話してくれたのだと誇らしげに教えてくれました。「自分たちが製作を手がけることで愛着が湧き、またこの場所に来たいと言ってくれる子どもたちが増えたことを嬉しく思います」。
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初めてのツリーハウスづくりを楽しむ子ども達。
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真剣な表情で、木材のビス止めにチャレンジ!
蜜源の森づくりを通して
ゼロカーボンへとつなげる!
今後は、大亀山森林公園を人が集い、賑わう場所としてますます発展させていきたいと、村上代表は意気込みを語ります。そのための施策の一つとして、園内の管理棟内に地元の食材を用いたメニューを提供する、「もしもしcafe」をオープンしました。
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富谷市役所の屋上にある養蜂場で採れたはちみつを使用した、「富谷はちみつ味噌チーズトースト」(写真右)。
また村上代表は、定期的なイベントの開催も企画していると話します。「ウォーキングで園内の散策を行って森林浴を楽しんだり、楽器を製作・演奏する森林コンサートを開催するなど、さまざまなイベントを予定しています。また市民の皆さんと共に、園内の景観を彩る花々を植え、蜜源の森づくりにも挑戦していきたいと考えています」。
年内に、50本もの木々の間伐を目指していると話す村上代表。間伐して開けた場所に植樹を行い、日本ミツバチが育つ蜜源づくりに取り組む予定だと言います。
「日本の固有種『日本ミツバチ』は、自然豊かな環境でしか育ちません。美しい花々であふれた蜜源の森を作ることで、ミツバチにとっても、人間にとっても、より住み心地の良い場所にしていきたいですね」。
ゆくゆくはこの大亀山森林公園が、すべての人々にとっての「本当の憩いの場所」になって欲しい。そして訪れる人々が皆、自然を大切に思う心を育み、ゼロカーボンの活動へと繋げていって欲しいと、村上代表はにこやかに話してくれました。