2021年2月に「ゼロカーボンシティ」を宣言し、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指している富谷市では、「富谷市2050年ゼロカーボン戦略」に基づいて、さまざまな事業を行っています。2023年の夏には、「FCバス展示(※)イベント」と「エネルギー環境教室」を開催。今回は、総勢11名で参加してくれたイオンチアーズクラブの皆さんの様子を紹介します。
※水素で走る「燃料電池バス(Fuel Cell Bus)」のこと
FCバスに瞳を輝かせ、疑問を見つけて次々に質問する子どもたち
イオンチアーズクラブは、全国のイオンの店舗を拠点に、自然や環境などに関心を持つ小中学生たちが参加し、考える力を育むさまざまな体験学習を行っている団体です。毎年会員を募り、一年をかけて体験や学習を重ねます。その活動をサポートしている西元えり子さんは、「今年は子どもたちに水素について学ばせたい」と考え、水素で先進的な取り組みをしている富谷市に相談。それがきっかけとなって、今回のイベント参加が実現しました。
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イオンチアーズクラブのお世話役ですと笑う西元えり子さん(右)とサポーターの工藤崇子さん(左)。
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FCバスの前に集まったイオンチアーズクラブの皆さん。
イベント当日は朝から30℃を超える猛暑。イオン富谷店駐車場で行われたFCバス展示イベント会場に、子どもたちが集合しました。このFCバスは宮城交通と富谷市が連携して運行しているもので、宮城県初の導入となっています。
バス車内はエアコンが効いているので、ほっとしたような表情で座席へ。バスを運行している宮城交通さんから、FCバスの仕組みや水素エネルギーの再エネ効果などの説明が始まりました。
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メモを取りながら熱心に説明を聞く子どもたち。
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疑問があると「なぜ?」「どうして?」を連発して質問攻めにしていました。
FCバスは、水素と酸素の化学反応で発電し、その電力でモーターを回して走るため、走行中にCO2 や環境負荷物質を排出しない環境にやさしいバスであると学んだ子どもたち。すると「チカラはどのくらいあるの?」「どうやって水を出すの?」「水は飲めるの?」と次々に質問。宮城交通さんが嬉しそうに質問に答えていました。
エネルギーの創・畜・省を学ぶ環境教室
次世代エネルギーキット作りにも挑戦
続いて店内の会場に移動して、環境教室がスタート。パナソニック株式会社エレクトリックワークス社さんが講師を担当します。
はじめに「エネルギーの創・蓄・省」と題し、創(創エネ/電気をつくる)、畜(畜エネ/電気をためる)、省(省エネ/かしこく使う)を、スライドとワークシートを使って学びました。さすがにチアーズクラブで学んでいるだけあって、基礎知識があるので理解が早く、ワークシートにすらすらと答えを書き込んでいました。
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第2部の環境教室ではパナソニック株式会社エレクトリックワークス社さんが講師。
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スライドで学びながらワークシートに答えを書き込んでいきます。
次のプログラムは、LEDライト工作キット作りです。太陽光で電気を創り、蓄電し、省エネのLEDでかしこく電気を使うことを学びます。
子どもたちは細かい作業に手こずっています。その間にイオンチアーズクラブの西元さんにお話を伺ってみました。
「毎年4月に募集して、月1回の活動を一年間行っています。この活動で子どもたちに環境意識を高めてもらいつつ、友だちにも広めてもらうことで、未来の環境保全に繋がっていけば」と考えているそうです。
一年を通して自然・環境の体験・学習活動を行った子どもたちは、一年の成果を壁新聞にまとめます。2022年のチームは北海道で開催された全国大会に出場し、全国のチアーズメンバーと交流会を行ったそうです。
どうやら意欲満々の今年のチームも、全国大会を目指せそうです。
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工作キットはライトの土台を組み立て、太陽電池やLED基盤、ニッケル水素電池をはめ込むなど細かい作業の連続。
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完成したときの達成感が大きく満面の笑顔。
「ライトが点いた!」「おー!」と感動の声をあげる子どもたち。全員が完成したのは、終了時刻を少し過ぎた頃でした。
最後に感想を聞くと「とにかく大変だった」「楽しかった」「助けてもらえてうれしかった」とさまざま。LEDライトを嬉しそうに抱え、満足そうに帰っていく姿が印象的でした。