小型家電もリサイクルできるって知ってる?資源を循環させ、ゼロカーボンの輪を広げる

富谷市役所市民生活部

生活環境課 髙橋拓也

使わなくなったり、壊れてしまったりした小型家電製品の中には、まだ利用できる金属資源があることを知っていますか。富谷市では、まち全体で捨てられる小型家電の量を減らし、金属資源のリサイクルと、捨てられる時に発生する二酸化炭素の量を減らす取り組みを行っています。今回は、まちでできる小型家電のリサイクルについてお伝えします。

使わなくなったものはリサイクル!
市の小型家電回収方法をチェックしよう

スマートフォンやデジタルカメラ、ノートパソコンなど、私たちの生活を豊かにしてくれる小型家電製品。これらには、アルミや貴金属、レアメタルなどの金属資源が含まれています。
リサイクルされないままごみとして捨てられてしまう小型家電が多いことから、次のようなさまざまな問題が心配されています。

(1)小型家電に使用する金属資源にも限りがある
(2)リサイクルせずにごみとして捨てられると、ごみの埋立地の寿命が短くなる
(3)金属資源となる鉱石を鉱山から掘り出す際や、鉱石から金属を取り出す際に、二酸化炭素が発生する

そこで国は、平成25年4月に「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」を施行。使わなくなった小型家電を各家庭から回収し、まだ使える金属資源を取り出すことで資源の無駄を減らし、ゼロカーボンにもつなげる活動に取り組み始めました。
富谷市でも平成27年から、まち全体で小型家電の再資源化を促進しています。
「本市ではボックス回収とピックアップ回収、そしてイベント回収という、3つの小型家電回収方法があります」。そう教えてくれたのは、富谷市生活環境課の髙橋拓也さん。

ボックス回収では、市役所や公民館に設置された小型家電回収ボックスに、市民の皆さんが使わなくなった小型家電を持ち込んでもらいます。施設が開いていればいつでも利用できるため、さまざまな方が気軽に利用してくれるそうです。
ピックアップ回収は、粗大ごみや資源ごみとして捨てられたものの中から、再び資源として利用できそうな小型家電を市の職員がピックアップ。環境省から認定されている業者に、引き取ってもらいます。
「春や秋には、まち全体でごみ拾いなどを行うクリーン作戦が行われます。同時に、市役所の駐車場スペースで、小型家電のイベント回収も行っています」。
新型コロナウイルス感染症の影響でイベントの開催を悩む時期もありましたが、今年は無事に開催できて良かったと、髙橋さんは微笑みます。

  • 富谷市役所に設置されている小型家電とインクカートリッジの回収ボックス。

    富谷市役所に設置されている小型家電とインクカートリッジの回収ボックス。

  • イベント回収では、多くの市民が家に眠っている使わなくなった小型家電を持ち込んでくれる。

    イベント回収では、多くの市民が家に眠っている使わなくなった小型家電を持ち込んでくれる。

  • 集められた小型家電は環境省認定の業者に引き渡され、リサイクルされる。

    集められた小型家電は環境省認定の業者に引き渡され、リサイクルされる。

まち全体で積極的にリサイクルを行い、
ゼロカーボンにも貢献する

環境問題に関心を寄せ、リサイクルやゼロカーボンにも積極的に取り組む市民がどんどん増えている富谷市。イベント回収に参加してくださった市民の皆さんの声をご紹介します。

齋藤 治さん(成田)
“広報誌でこのイベントを知り、パソコンやブルーレイディスクなどを持ってきました。無料ですし、よく知らない業者に頼むより、自治体に引き取ってもらえると安心感があります。今後も、リサイクルを心掛けていきたいです。”

工藤 きみ子さん(大清水)
“今回初めてパソコンと電話機を持ってきました。将来のためにも、資源をきちんとリサイクルできるよう、分別することは大切だと感じています。市内を走っている水素バスや、水素の実証事業の取り組みもすばらしいですよね。”

北浦 貴樹さん(町上)
“今日は、布団乾燥機や目覚まし時計など、小型回収BOXには入らない大きなものを持ってきました。リサイクルや水素の実証事業など、富谷市は環境にやさしい取り組みをたくさん行っているので、これからもどんどん挑戦していって欲しいです。”

松井 照幸さん(成田) 
“パソコン3台、携帯電話5台を持ってきました。個人情報が入っているパソコンなどは、処分したくてもなかなかできずに困っていたんです。自治体が回収し、国指定事業者が処分すると聞き、それなら信頼できると思いました。こういう機会があるとありがたいですね。環境を考えた市のさまざまな取り組みは、とても素敵なことだと思っています。”

  • イベント回収に参加した松井さん。自身も、日々の生活の中で節電を心掛けるなど、環境にやさしい取り組みにチャレンジしている。

    イベント回収に参加した松井さん。自身も、日々の生活の中で節電を心掛けるなど、環境にやさしい取り組みにチャレンジしている。

イベントに参加してくださった皆さんからは、市が引き取ってくれるから安心だという声も多く、信頼していただけて嬉しいと顔を綻ばせた髙橋さん。「個人情報が含まれている機器等は、本市から環境省の認定を受けた業者へ引き渡し、その後、破砕処理が行われます。情報が流出する心配はございませんので、安心して積極的に利用いただければと思います」。

新たな挑戦を積み重ね、地球にやさしいまちへ

富谷市では令和4年11月から、世界で初めてリサイクルインクを商品化したジット株式会社と連携し、家庭用インクジェットプリンターの、使用済インクカートリッジ回収もはじめました。回収対象は、汎用品も含む全メーカー。これまで捨てられていたインクカートリッジをリサイクルすることで、ごみの量を減らし、ゼロカーボンにも貢献する新たな取り組みです。
髙橋さんは、「市民の皆さんにはいつもご協力いただいており、感謝しております」という感謝の言葉とともに、今後もまち全体で脱炭素に向けた取り組みを行い、地球にやさしいまちづくりを目指していきたいと、意気込みを語ってくれました。

  • インクカートリッジのリサイクルも行い、より地球にやさしいまちづくりを目指す。

    インクカートリッジのリサイクルも行い、より地球にやさしいまちづくりを目指す。