富谷市では将来にわたって市民が安心して暮らせるよう、2021年2月に、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。さらに「富谷市2050年ゼロカーボン戦略」を立て、さまざまな地球にやさしい活動に取り組んでいます。今回は、体験型のワークショップを通して、まちの未来を担う子どもたちと共に富谷市の環境について考える、ゼロカーボンデイキャンプの様子をご紹介します。
※撮影のため、マスクを外している写真がございます
二酸化炭素を出さないエネルギーってなんだろう?自然の力を利用して発電にチャレンジ!
小学生と中学生グループの2日間に分けて開催されたゼロカーボンデイキャンプ。午前中は成田公民館で、私たちの暮らしに欠かすことのできない“エネルギー”について、先生と一緒に学びました。
「太陽の光を利用する太陽光発電は、二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーですが、太陽光パネルを作るためにはシリコンを1400℃の高温で溶かす必要があり、とても大変です。今日はもっと身近なもので、太陽光電池を作りましょう」。そう言って、先生が取り出したのは富谷市の特産品としても有名な、ブルーベリーの実。身近なもので発電できると知り、子どもたちは驚きながらも早速実験に取り掛かります。
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ブルーベリーをすり鉢ですりつぶして色素を取り出し、太陽光電池に利用する。
試行錯誤を繰り返しながら、完成した太陽光電池。電池へ光を当てる瞬間は、無事に発電できるかどうか緊張していた子どもたちも、電池につないだオルゴールが鳴った瞬間、「やったー!」と大喜びでした。
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手作りの太陽光電池で行なった実験は、大成功。
エネルギーの仕組みについて学んだ後は、地元で採れた旬の夏野菜やおいしい米で作った、特製カレーライスをみんなでいただきました。隠し味は、地元で採れた甘いハチミツ。「おかわりください!」。あまりのおいしさに、あっという間にカレーを完食した子どもたちが、おかわりの列に並びました。
食後には水素と酸素の化学反応で走るFCV(燃料電池自動車)の見学も行い、みんなで充実した時間を過ごすことができました。
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富谷産の夏野菜で作ったおいしいカレーに、子どもたちもにっこり笑顔。
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FCV車の電力を利用して、家電を動かす様子も見学した。
里山の豊かな自然から、環境を守る大切さに触れる
午後は、バスに乗って西成田にある「みつばちの里」へ。みつばちの里では、自然観察や養蜂見学を通して、西成田の環境保全の取り組みについて、NPO法人SCRスタッフの皆さんから教わります。「西成田では、西洋みつばちと日本みつばちを飼育しています。特に日本みつばちは、環境の良い場所でしか暮らすことができないので、西成田の環境は私たち人間にとっても良い環境なんですよ」と、SCR代表の村上さんが、子どもたちに丁寧に教えてくれました。みつばちと女王バチとの関係、ハチミツができる仕組み、みつばちが暮らしやすい環境を作るために蜜源となるひまわりの苗を植えた時の話など、さまざまなことを知り、子どもたちは自然を守ることの大切さを改めて実感した様子でした。
さらに、薪割り体験やミニ七夕づくりにもチャレンジ。初めは慣れない手つきだった子どもたちも、キャンプ後半になるとプロ顔負けの薪割りを披露してくれました。
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普段体験できない薪割りを楽しむ子どもたち。
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七夕の短冊に、さまざまな願い事を書いて笹竹につるす。
オール富谷でゼロカーボンを目指す!
「ゼロカーボンってなんだろう?」という素朴な疑問から始まり、地球温暖化を防ぐためにどうすればゼロカーボンシティを実現できるのか、子どもたちは一日を通して真剣に考えた様子でした。
「みんなで力を合わせて、地球を守ることが大切なのだと思いました」「毎日の生活の中で、ゼロカーボン を意識したいです」。
ゼロカーボンデイキャンプは子どもたち一人ひとりにとって、地球の未来について考える、とても有意義な学びの一日になりました。