脱炭素社会を目指し、建設・住まい・まちづくりを通して、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言している「プライム ライフ テクノロジーズグループ」として、ゼロエネルギーハウスである「ZEH(ゼッチ)」の導入に力を入れているトヨタホーム株式会社。富谷市ひより台2丁目で分譲を進めている「ウッズベルトの丘」にて、トヨタホームとうほくが進めるゼロカーボンに向けての取り組みを伺いました。
ゼロエネルギーハウス「ZEH(ゼッチ)」
2030年で導入90%を目標に
「2050年のカーボンニュートラル実現に向けた当面の具体的な目標として、2030年の段階で新規住宅のZEH化90%を掲げています」と話すのは設計部宮城設計課髙橋陽一課長。ZEH(ゼッチ)とはnet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、高断熱・高気密化で省エネを図るとともに、高効率な設備で消費するエネルギーを抑え、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで年間の消費電力を実質ゼロ以下にする住まいのこと。ゼロカーボンに向けた取り組みを進める住宅メーカーとして、一番に力を入れているポイントです。
「集合住宅ではZEH-M(ゼッチ・マンション)を50%以上実現。既存の住宅でもZEHに改修を行い、エネルギーの削減量を30%アップするという目標値を設定しており、トータルで住まいのエネルギー消費量の削減に貢献していこうと考えています」。
この高い計画に対して現在の進捗はどのようなものか。髙橋課長によると「今年度は新規住宅のZEH化70%強を目標にしていますが、4ヶ月経った時点でZEH化80%で推移しています」と順調な状況で進行しているといいます。
「東北のように雪の降るエリアでは、太陽光発電はなかなか賛同を得にくいのが実状です。それに対し、ZEHの必要性をしっかり説明すると同時に、トヨタホームの住まいがいかにZEH化に優位かを理解してもらっています」。
ZEH住宅には、太陽光発電でエネルギーをつくる部分だけでなく、熱の放出を減らす「断熱性」が必要。トヨタホームの住宅は床下の基礎部分に断熱処理をしっかり施しており、お客様に理解・共感をいただいているようです。
トヨタホームらしい
V2Hシステムやクルマde給電も魅力
トヨタグループのトヨタホームならではのV2Hという住まいへの提案もあります。
V2HとはVehicle to Homeの略称で、電気自動車に電気をためて、その電気を家庭に供給するシステムのこと。平時は太陽光発電で創った電気や安価な深夜電力を電気自動車に蓄え、エネルギーを効率的に活用することができます。 一方で、停電時には、電気自動車から家全体へ給電が可能。太陽光発電もフル稼働できるので、長期の停電にも対応できます。大森宏明営業部次長によると、「電気自動車の車種には限定がありますが、固定価格買取制度の終了後はこれまで売電していた余剰電力を有効活用できるので、日常生活の光熱費削減にも役立つというメリットもあります。これからの暮らしのエネルギーの新しいカタチを実現できると思います」といいます。
さらに「クルマde給電」という自動車を住まいとつなぎ電源として利用する業界初の非常時給電システムも用意されています。日ごろから電力を融通し合う一般的なV2H機器と異なり、停電時にだけ使う装置で、広く普及しているHV車でも使え、「被災時に避難所へ行かず、在宅で避難できることがポイント」といいます。
「トヨタホームは災害後も住み続けられるレジリエンス性能を大切にしています。この『クルマde給電』もそのアイテムのひとつで、様々な災害からご家族の生活をしっかり守ることを目指しています」。
ゼロ・エミッションなど
トータルにSDGsな住まいづくり
トヨタホームの建設部門では、住宅をつくる際にも環境に配慮した取り組みをしています。そのひとつが「ゼロ・エミッション」というもので、道路舗装の下地材にするなど、新築現場から発生する建設副産物の埋立をゼロにするというものです。すでに新築の建設に関しては10年以上の取り組み実績があります。
それ以外に挙げられるのが、生産現場の温室効果ガス排出の削減。鉄骨ユニット工法を採用するトヨタホームでは、製造自体は工場で行うことで、効率のよい部材の活用ができ、ロスを最小にすることが可能になっています。全体工程の85%は工場で行い、現場では15%のみ。現場の確認も遠隔カメラの活用により、現場担当者の車移動を減らし、温室効果ガスの排出削減につなげているといいます。
自然と安らぎを思う存分楽しめる
「ウッズベルトの丘」
現在、富谷市ひより台2丁目で分譲を進めている「ウッズベルトの丘」ではZEH率95%と高い数字を実現。モデルハウスではイベントなどを通して、「クルマde給電」の分かりやすい提案も精力的に行っています。
設計担当の髙橋課長は「富谷市のゆたかな自然と風景の中に生まれたこの街は、66邸でつくりだす街並みをしっかり統一感のあるものにしたいと思っています。すべて勾配屋根を用いて、外観はブラウン系、オリジナルの門柱を採用、そしてシンボルツリーを入れて街全体に彩りと統一感を持たせたいと思っています」とこだわりの設計思想を話されます。
さらに、「コンパクトシティがコンセプト」と話す大森宏明営業部次長は「小学校へも歩道伝いで行ける安心感があります。近隣の公園にも近いので子育て世代に選んでいただいています。高台の街づくりが豪雨災害にも強い街づくりになっています」と家族にとって住みやすい街の魅力を話します。
さらに、「ウッズベルトの丘」では注文住宅で自由設計が多く採用されています。
耐力壁を必要としない鉄骨ラーメンユニット工法で可変性が高いトヨタホームの住まいは、ライフステージに合わせて間取りを変えることが容易にでき、「住まいの持続可能性」にも貢献します。
「トヨタホームは60年保証を行なっていますが、耐久性には自信があり、いま世界的に求められているSDGsをしっかり実現しています。高い断熱性は省エネルギーはもちろん、ヒートショックをなくす健康的な住まいでもあります。長く安心して住まうことのできる住宅だと思います」。
住まいを通してゼロカーボンに向けた取り組みを進めるトヨタホーム。富谷市のゆたかな自然にマッチした「環境にやさしい街づくり」を進行しています。